第15回無料セミナーを開催しました!

第15回セミナー「デジタルと挑戦」は、オンライン開催で大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに終了しました!

今回のセミナーでは、有限会社森田洋蘭園取締役会長 森田康雄氏にご登壇いただき、初代としての挑戦、成功、そして代が変わり2代目にどう向き合い支えたのか、2代目以降の経営者に向けて、変革を起こした初代からの想いをお届けしました。

こちらでは、第15回セミナーの内容の一部をご紹介します。

【パネルディスカッション】デジタルと挑戦

有限会社森田洋蘭園取締役会長 森田康雄氏

1971年に森田洋蘭園を創業した森田氏。日本にまだ胡蝶蘭の原型がなかった時代から品種改良を続け、数々の賞を受賞するオリジナル品種を発表し、世界に認められてきた。DXの取り組みについても1980年代からさまざまな開発を行ってきたという。

創業の経緯

農家の長男として生まれた森田氏。就農当時は先代から引き継いだ米と苺を生産していたが採算性が悪く、新しいビジネスを考える中で、洋蘭が周年生産できて高級品として扱われるというところに目を付け、栽培することを決めた。個人的にも元々花が好きで、洋蘭に初めて出会った時の花の美しさに感動したこともきっかけとなっている。

現在、日本にある洋蘭は、海外で開発された種をベースに日本で生産したものがほとんどだが、森田氏が扱う洋蘭は、育種をして独自に開発したオリジナルの品種である。

オリジナルの品種開発には8~10年ほどかかり、その分コストと手間が多くかかるが、森田氏は情熱とこだわりを持って取り組んでいる。

森田洋蘭園デジタル化の歩み

1987年、まだパソコンが普及する前からDXの取り組みを始め、まず、販売管理のシステムを開発した。それまでは手書きしたノートから販売データの分析をしていたが、品種、販売時期、得意先別、色別、サイズ別など様々な要素があり、とても手間がかかっていた。当時は農家が使えるようなソフトウェアが開発されていなかったことから、プログラミングを趣味とする友人に相談して、友人を含めた3人で販売管理のシステムを作ることになった。

それによって、日々の市場の値動きに合わせて販売することや、納品書・請求書を発行すること、長いスパンで売上を分析して生産計画を立てることなどができるようになった。

システムが稼働し始めると、全国の同業者から使いたいという引き合いがあり、システムの販売に踏み切った。利益を上げるというよりは、業界全体で便利なシステムがあった方が良いという考え方から、3人でソフトウェアを開発・販売する会社を設立した。

これまでに200本ほどのシステムを販売してきた。

生産管理システムの開発について

開発前までは、ボイラー、天窓、換気する・保温するなどはそれぞれ独自の機械で動いていたものを、温室の温度・日射量・湿度などのデータを一元管理するシステムを開発したことにより、勘に頼っていた温室の制御が数値化・理論化された。それにより、自分が留守にしている時や、当時生産を拡大するために分業化を進めていたので、委託先の農場を管理する際にも、自分の望む栽培環境を提供できるようになった。感覚的な管理体制をシステムに落とし込むことで、再現性を高めることができ、生産規模を拡大することができた。

Eコマースの導入

パソコンの利用方法が、システム周りに留まらず一般的な通信手段としても普及してきたことに伴い、2000年代に入ると販売形態が変わってきて、生産現場から直接エンドユーザーに商品をお届けする仕事が増えてきた。

当初はFAXベースで注文を管理していたが、件数が増えてくるとミスが増えるようになった。そこで、クラウドシステムを導入して受発注の情報をデータ化、そのデータをもとに納品伝票を作成できるようにした。販売に関するデータを詳細に管理することで、間違いをなくすことができた。

宅配システムの開発

5~6年前にヤマト運輸が大きな荷物の宅配を止めると発表したため、これまでの発送代行を頼めなくなった。ここまで増えてきたEコマースの仕事を根底から覆されるような一大事だった。すぐに同業者何人かと協議し、ヤマト運輸に代わって関東近県の配送を、軽トラックをチャーターして行うシステムを作った。配車表、管理、完了報告、料金計算を管理する必要があり、エクセルでは限界があったので、クラウド上のシステムを構築した。

結果的にはヤマト運輸よりもコストダウンも図れて、ヤマト運輸にはないサービスも提供することができた。蘭の梱包材料やいらなくなった蘭の鉢を引き取ってくる、決められた時間に届けるなどのサービスもシステム化した。

現在のDXの取り組み

フルーレという最初に作った販売管理システムを30年以上使っているが、ローカルシステムなのでクラウド化しようとしている。

花の生産者協会を受け皿に、国の補助金を活用し、新たな開発業者と取り組んでいる。売った後の販売管理だけでなく、売る前の在庫状況や生産情報を販売店に発信している。これまでは市場中心に情報やモノが集まりやすかったが、Eコマースによる直販も増えてきたため、クラウドで情報を管理することにより生産者が主導権をもって販売をコントロールできるようなった。このような取り組みを増やして生産者の地位を上げたいと考えている。

事業を継承する後継者の方へのメッセージ

森田洋蘭園は、現在は息子に経営を引き継いでいる。経営というものは、時代とともに変化していかなければならない。我々の年代よりも若い世代の方が、時代の動きをとらえる感性が優れている。ぜひ、自分の感性に従って、新しい感覚で自由にチャレンジしてほしい。

「親」という字は、木の上に立って見る、と書く。先代の立場として、若い世代の自主性に任せた経営を応援したいと思っている。

そう語って森田氏はセッションを締めくくった。

森田氏の示唆に富んだポジティブなメッセージは、多くの方のDXへの第一歩を後押ししました。

さて、湧く沸くDXおおいたでは、選抜されたDX宣言事業者がパートナー事業者との共創によりDXに挑戦し、県内事業者の参考となるモデル事例を創出する「伴走型モデル創出プロジェクト」を実施しています。

各社、「ありたい姿」の実現に向けて、10月の始動から5か月間にわたり、パートナーとともに走り抜けてまいりました。

3月16日には、モデル事業者10社による成果報告会を開催します。

各社が、自社の課題と未来に本気で向き合った挑戦と成果をぜひご覧ください。

DXを検討されている事業者の皆様はもちろんのこと、新しい挑戦を考えている事業者様にも多くの刺激を感じていただける機会です。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

【申込はこちらから】 https://wakuwaku-dx-oita.com/event/results-report-10-model-projects/