第8回無料セミナーを開催しました!
第8回セミナー「変革、挑戦、DX」は、オンラインで大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに終了しました!
今回のセミナーでは、創業から成長拡大期のスタートアップ企業のオフィス移転を最小限の手間と費用で実現する家具付きオフィスおよび周辺サービスのサブスクリプション事業を行う、株式会社NovolBa 代表取締役 鄧 雯(とう ぶん)氏をゲストにお招きしてお話し頂きました。
こちらでは、第8回セミナーの内容の一部をご紹介します。
【講演】「変革、挑戦、DX」
株式会社NovolBa 代表取締役 鄧 雯(とう ぶん)氏
お爺さんがみかん農家を営む、中国の自然豊かな環境で育ったと語る鄧氏、大連の大学で3年生になった時に留学生として来日しました。新卒で入社したファクトリーオートメーションの専門商社で機械部品の企画などを担当した後、オフィス家具メーカーである株式会社オカムラへ転職、B to Cのマーケティングに携わってこられました。
現在、代表取締役を務める株式会社NovolBaは、株式会社オカムラの新規プロジェクトとして、昨年の11月に設立されました。
NovolBaのミッションは、「挑戦するスタートアップの成長を支える」。
スタートアップ企業向けに、オフィス提供サービスやメディアを活用した広報を展開。
NovolBaがオフィスを借りて、そこに家具や機器を準備した状態で、スタートアップ企業に月額定額制で貸出をする。あわせて、事業の成長を促すサポートも実施。事業の成長に応じたオフィス移転も定額制なので手軽に実施できるサービス。
特徴的なのは、メディアを運営することで、投資家や大企業等とスタートアップ企業のマッチングも可能にしているところ。
家具を売る“モノ売り”から、サービスを売る“コト売り”へのシフトに取り組んでいるが、すぐにはうまくいかないところもある。オカムラのさまざまな部署の人を巻き込みながら取り組んでいる。
鄧さんが新規事業に取り組もうと思ったきっかけは?
オカムラは何年も増収、増益を更新していたが、それをずっと続けるのは難しいだろうという考えはあった。そして、コロナや戦争のことがあり、いつどうなるかわからない不安定な時代に入ったという感覚もあった。
お客様に対して、良い家具を提供できればよかった時代から、現在はお客様の課題に対して、何ができるか?というスタンスを要求されるようになってきたことから、「お客様の変化に伴って自分たちも変わっていかなければいけない」と、ある役員が言い出したことをきっかけに、新規事業がスタートしたと語る鄧氏。
経営者層に視座の高い意識があっても、会社全体で変革を実行できる体制になるのは難しい、まずは若手社員で何か一つ事業を始めてみようというところからNovolBaがスタートした。そんな中、鄧氏は役員から呼び出しを受けて新規事業にアサインされた。
どのように事業案を考えていったか?
最初にやりたいと思ったのは、スタートアップ向けの商品を開発し、ダイレクトに売ることだった。しかし、国内、中国などの国外、数十社への調査で分かったのが、高い家具は買ってくれないこと。I K E Aなどの通販で安い家具を買っていることを知り、だとしたら自分たちが工場に投資をしても回収するのは難しいだろうと。
そこで、どんなサービスが顧客に求められるのか、社内で議論を重ねた結果、スタートアップは資金調達が難しいこともあり、そもそもオフィスを構えること自体がとてもハードルが高いことに着目し、NovolBaがワークプレイスを提供できたらビジネスになるかもしれないと考えた。
ユーザーの声を直接聞き、ユーザー視点で考えられたからこそ、モノ売りからコト売りのサービスにトランスフォーメーションできたのです。
大切にしたこととは?
ミッションを作りました。「スタートアップのワークプレイスを作る」というミッション。
ポイントは2つ。
「誰を笑顔にしたいか?」を「スタートアップ」に絞ったことと、「何をやるのか?」を「ワークプレイスを作る」に絞ったこと。
家具を売ることではない。家具メーカーなので、無意識に社員の頭に、「どうやったら家具が売れるか?」という刷り込みがあったが、ミッションを定めたことによって、「ワークプレイスが提供できれば何をやってもいいんだ」と思考回路を解放することができた。
また、やらなくてよいことを自分たちの基準として持つことができた。ミッションがなかったら、様々提案されることに対して、あれもいいんじゃないかと、やりたいことが多くブレてしまう。
プロジェクトが立ち上がってから会社になるまで
会社の上層部の危機感からスタートしたプロジェクトだったので、一社員の意識のままでは、会社のことと自分を切り離して考えることも多かった。
うまくいかない時に、自分は何のためにやっているんだろうと思うこともあった。いかに会社のことを自分ごととして落とし込むか、ということを意識してやっている。
そんな時は、お客さんであるスタートアップの方からヒントを得ることも多い。
みなさん志が高く、「こういう課題があるから解決したい」という目的意識を持って課題をクリアしているところに刺激を受けた。
お客さんが、資金調達がうまくいかない、知名度が低いから採用がうまくいかない、と壁にぶつかっている時に、NovolBaがサービスを提供することで解決できた時は、やってよかったという肯定感を感じて、それが原体験になる。
うまくいかない時には、それまで蓄積した肯定感、原体験が自分を奮い立たせてくれた。
社内の繋がり、支援に関して
NovolBaはミッションに共感してくれるチームのメンバーによって成り立っている。
自分一人では不得意なことや、思い付かないこともあるので、助け合って、補い合って仕事を進めている。自分たちが真剣になるほど、オカムラの役員やいろんな部門の方々を巻き込んで支えてもらっている。
NovolBaがオカムラ本体に影響を与えていること
新事業を進める上で、社内で肩身が狭いこともある。うまく人を巻き込んでいけない時があるけれど、話していくうちに、「それ面白い!」「ぜひ一緒にやりたい」と言ってもらえることがあり、実は心の奥には情熱を持っていることがわかる。
最近、オカムラの別の部署と話した時に、「面白い」と言ってもらえた。地道な自分たちの活動をいかにオカムラの中の「何か起こしたい!」という人たちに還元して、みんなでさらにチャレンジの輪を広げていけるか、ということを意識してやっていきたい。
最後に、今すぐにできる小さな挑戦からまずやってみることが大切、そうすることで見える景色がある。動かなければ何も変わらない、思い切って自ら行動してみましょう、と締めくくりました。
鄧氏の示唆に富んだポジティブなメッセージは、多くの方のDXへの第一歩を後押しされました。
さて、DXの事例を学びながら、自社のビジョンについて考えてみる、その想いを言葉にしてみる。そんなセミナーを今後も展開していきます。
ありたい姿を実現するためにDXを取り入れる、まずはその想いを言葉にしてみませんか? 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
【申込はこちらから】 https://wakuwaku-dx-oita.com/seminar/