第3回無料セミナーを開催しました!

第3回セミナー ビジョンを作ってみよう!(その2)は、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインによる実施となりましたが、約60名と大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに終了しました!

湧く沸くDXおおいたの無料セミナーでは、DXに興味がある方や、今後プログラムに参加を検討されている方向けに、DXに挑戦してきた経営者によるパネルディスカッションや、DXに取り組もうとしている皆様と座談会・グループワークを行います。全6回のイベントを通して、各社のビジョンの設定や課題抽出をサポートしていきます。

第3回セミナーでは「100年企業に学ぶ次世代マネジメント~DXの前と後に必要となる、事業発展に直結する組織革新のポイント~」と題し、今枝良仁氏(株式会社グランドールインターナショナル)にご登壇いただき、DXを活用した業態変革について詳しく語っていただきました。

こちらでは、第3回セミナーの内容の一部をご紹介します。

【講演】「100年企業に学ぶ次世代マネジメント~DXの前と後に必要となる、事業発展に直結する組織革新のポイント~」

株式会社グランドールインターナショナル
代表取締役社長 今枝 良仁 氏

創業100余年。小さな乳母車の製造工場から始まり、戦禍の消失も乗り越え、現在も尚輝き続ける株式会社グランドールインターナショナル。

「より豊かでより楽しい子どもの暮らし」という「ありたい姿」を掲げ、インターネット黎明期からEC販売を始める等、顧客ニーズを捉えて業態変革を絶えず行ってきた。

【時代に伴い変化してきたDXのあり方】

創業100余年、4代目社長、経営26年という立場から、「これまで何度も会社の変革の必要性を感じてきた」と語る今枝氏。経営を続ける中で、時代の変化に伴い実感したDXの4つのフェーズについてお話しいただきました。

  1. 効率DX・・・80-90年代のIT化
  2. 事業DX・・・00年代-10年代 ビジネスモデルの進化
  3. 価値DX・・・20年代- 顧客体験の進化
  4. 企業風土・組織文化DX・・・仕事体験・事業創造の進化

この4つをベースに自分が今どこにいるのかを考えることに意味があるのではないか?

一つ一つ失敗しないために何が大切か?という観点から、DXを成功させるための3つの変革を示したい。

【DXを成功させるための3つの変革】

1.事業の変革とは

株式会社グランドールインターナショナルの事例・・・

100年ほど昔、大正時代に乳母車や三輪車を商品として創業した後、百貨店への卸業や、北欧の玩具ブームやブランディングを意識するなど、少しずつ業態を変えながら継続する中、1990年代の早い時期からネット販売を始めた。

個人でも世界中から良い商品を輸入できるようになり、競争が激化、業態の変革に迫られた。競合他社よりも早くDXに取り組むことにより、効率化が図られ、より多くの利益を生み出すようになった。

【事業とは何か】

今枝氏は指摘します。「事業とは何であるか」ということは、「何の価値を提供するのか?」ということ。何の価値を提供するのか、を明確にすることが大切である。

歓びに満たされないとお客様が商品を買わない時代になってきた。

商品が売れるためには、

1.ニーズを満たすこと・・困っていること、欲しいを満たす

2.魅力のある商品を扱うこと

商品の魅力とは、

1.お客様とのマッチング

2.単価×数量=売上

3.継続

4.想い

これを繰り返し検証していくことが重要。

【過去を見つめることで未来が見える】

皆さんの会社の歴史を紐解くことで、過去にあった変革の歴史を見つめると、見えてくる未来が必ずある。未来だけ見ていると大体うまくいかない。

2.価値の変革とは

自分達のやっていたことの価値を見直すことによって爆発的にうまくいった事例がある。

▪️「手づくり、やわらか手もみ唐揚げ」~唐揚げ

柔らかい手もみという部分がお客さんに刺さって、売上が5倍になった

▪️「良品率99.991%以上、純金より高精度」~部品

純金の制度99.99%と比較することでユーザー目線に立った売り出し方

▪️「ローマ法皇に献上されたお米」~石川羽咋米

など、価値を再発見すること自体にデジタルがあるわけではないが、

価値を再発見した後の売り出し方、広め方にデジタルを活用することが重要。

3.組織の変革とは

今枝氏は組織改革としては10年かけてたった2つのことだけを意識すれば良いことを学んだと言います。

1.コップの水・・・マネージメント層はえてして、コップの水が「どれだけ入っているか」ではなく、「入っていない」部分に注目してしまう。経営者として体験した過去の失敗は、入っていないものを会議でずっとテーマにしてしまっていたこと。入っているものを伸ばす、持っている価値をさらに飛躍させるにはどうしたらいいのか?というところに目が行かずに、人が離れていく結果となってしまった。

2.ジョハリの窓・・・自分は知っているけど他人が知らない自分。他人は知っているけど自分が知らない自分。自己開示しなければ伝わらないことはたくさんある。経営者にとって大切なのは、マイナスな情報を自己開示すること、他人からフィードバックをもらうこと。そうすることで組織の風通しが良くなる。現代のイノベーションというのはここからしか生まれないと考える。

【仕事とは社会に感動を提供すること】

今枝氏は、色弱の人用の眼鏡を作る会社の映像を事例に挙げました。

色のない世界に生きていた人が眼鏡をかけることで初めて色を見る瞬間の映像です。

仕事の喜びとは何か?この映像を見るとわかることがある。社会に感動を提供していくことが仕事なのではないか?商品の価値を提供することによってどうやって人に喜んでもらえるのか、を考えていくことが大事。

今枝氏は最後に、かつて友人たちとの温泉旅行で一年後に開催される砂漠でのマラソンに参加することを決意した経験を話されました。

今何を選び、何を選ばないのか。未来は今選択すれば実現する。

今枝氏の示唆に富んだポジティブなメッセージは、多くの方のDXへの第一歩を後押しされました。

さて、DXの事例を学びながら、自社のビジョンについて考えてみる、その想いを言葉にしてみる。そんなセミナーを今後も展開していきます。

ありたい姿を実現するためにDXを取り入れる、まずはその想いを言葉にしてみませんか? 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

【申込はこちらから】 https://wakuwaku-dx-oita.com/seminar/