大分県横断!湧く沸くDXおおいたキックオフイベント2023を開催しました!
第2期となる本年のキックオフイベントを大分県内の全6か所(佐伯市、別府市、豊後大野市、日田市、宇佐市、大分市)にて開催しました!
「DXって聞いたことはあるけどよく分からないな?」という方から、昨年度から本事業にご参加いただいている方まで実に幅広く、総勢200名以上の方々にご来場いただき、おかげさまで盛況のうちに終了することができました。ご来場およびご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!
こちらでは、全6ヶ所の最後を締めくくった大分市会場の内容の一部をご紹介します。
最終日となる大分市会場には、100名近くの方にご来場いただきました。実際にDXに挑戦したい事業者の方、パートナーとして事業者のDXを支援したい方、行政機関等の立場から本事業を盛り上げていきたい方など、参加者の立場は様々です。
オープニング
まず、本事業の主催である大分県商工観光労働部 参事監兼DX推進課長の藤井正直氏より、ご来場の皆様に向けたご挨拶と、本事業に込めた想いをお話いただきました。
藤井さん
大分県では、少子高齢化や人口減少、感染症対策など、様々な問題を乗り越える鍵がDXであると捉え、県政のあらゆる分野でDXを推進しています。
「DXの取り組みが温泉のように湧き上がって沸騰するように」という想いを込めて名付けた、この『湧く沸くDXおおいた』は、県内事業者の皆様のDXを支援するもので、民間事業者のDX推進の最重点事業として位置づけ、力を入れて取り組んでいます。
皆様がDXに挑戦できる環境を用意していますので、ぜひ第一歩を踏み出していただきたいです。
続いて、司会から本事業の概要などを説明したのち、運営事務局である株式会社ボーンレックス代表取締役 室岡拓也氏から参加者の皆さまへメッセージをお伝えしました。
室岡
我々ボーンレックスは、国内外で新規事業の立ち上げを支援しています。新規事業の立ち上げには、まず『新たに始めること』への不安がつきものです。多くの場合、悩みながら走り始めてしまい、成果を出すまで長い期間がかかってしまいます。
新規事業は、ある程度一気に駆け抜けるのが大事なんです。良い意味で、『あれもこれも見ない状況』をつくることが大切で、これはDXの取り組みにおいても当てはまります。
DXは『デジタルの力でトランスフォーメーション』すること。つまり、『変わろうぜ』ということです。変わるときに、アナログの価値を大事にしながらも、デジタルの力を使って変わっていこうというのがこの取り組みです。
この事業のプログラムの冒頭では、『何を目指して走っていくのか』に終始し、実はデジタルの話はほとんど出てきません。まずはみんなで、目的であるビジョン(ありたい姿)を一緒に考えていきます。
パネルディスカッション
昨年度のモデル事業者から、事業を通じてDXの考え方が変わったこと、何よりビジョンが大切であること、そして一緒に走ってくれるパートナーの存在など、実際に挑戦したからこそ感じた本音をご紹介いただきました。
<登壇者>
有限会社榎屋 取締役社長 太田慎太郎
株式会社ボーンレックス 代表取締役 室岡拓也
<ファシリテーター>
株式会社ボーンレックス 奥野佳香
奥野
本事業で取り組んだDXについて、お伺いできますか?
太田さん
我々は、由布院で榎屋旅館という12室の小規模旅館を経営しています。将来のビジョンを考えたときに、『自由度と地域性の高い観光施設にしたい』、『長く滞在してもらえるような施設にしたい』という考えにいたりました。
例えばお風呂についてですが、施設内の貸切風呂を1時間ごとの予約制にすると、お風呂から早くあがった場合、残りの時間は誰も入っていない空白の時間帯が生まれることがあります。そこで、タブレット端末を用いて、お客様が空き状況を常に確認できる状態にしたいと思いました。これにより、お客様の自由度が格段に上がるんです。
一方で、部屋にタブレット端末を導入すると、お客様とのリアルの接点が減り、由布院が持つ「おもてなしの心」が本当に伝わるのかどうか、最初は懐疑的でした。
ですが、タブレットの画面を由布院らしい、柔らかく楽しい見た目にすることで、小規模旅館でも思った以上に柔らかくDXすることができると実感しました。決して冷たくなることはない、デジタルでも温かさを伝えることができると感じています。
奥野
『湧く沸くDXおおいた』に参加して、DXに対する考え方は変わりましたか?
太田さん
ガラリと変わりました。『自分がどうしたいのか』というビジョンがないと、たとえお金があったとしても何もできないということに気づきました。
DXの『D』(=デジタル)の部分は、インターネットで調べればいくらでもツールが出てきますが、大切なのは自社における『X』(=トランスフォーメーション)に結びつくのは何か、ということだと思います。
室岡
DXというと、『お客様に向けた外向きなDX』と『内部の効率化を目指すDX』の2つに大別されますね。お客様に向けたDXは、もし上手くいかなければお客様が離れていく可能性すらもある中で、まず初めにそこから着手したのはなぜでしょうか?
太田さん
ビジョンを設定するとき、コンサルティングパートナーの宮井さんと話をする中で、『社長は何をしたいのか?』と聞かれました。そこで、自分が泊まった時に心地の良い空間とは何かを考えたときに、『自由が欲しい。不自由は嫌だ。』と思ったことがきっかけです。
奥野
今の挑戦はDXの第一歩とおっしゃいましたが、次なる挑戦として考えていることをぜひ教えてください。
太田さん
うちがやったことを、周りにも広めていきたいです。由布院は小規模な旅館がたくさん集まっています。その中で、ほとんどの旅館が高齢化していて、どのように次世代に繋げていこうか悩んでいるのが現状です。
大きな旅館が増えていく傾向もありますが、そういう旅館は最初から省人化を目指しています。それが進むと、由布院本来が目指してきた「おもてなしの心」がなくなってしまうのではないかという恐怖心があります。
だからこそ、自分たちの取り組みを伝えることで、『小規模旅館でも柔らかいDXができるんだ』ということを広げていきたいです。
最終的には、旅宿同士がDXで繋がれると最高ですね。そうすれば、もっと広い意味でお客様を満足させる環境を生み出せるのではないかと考えています。
参加者の皆様からは、「DXに対する考え方がよく分かった」、「実際の事例を聞けたことで、イメージが沸いた」というお声を多数いただきました。
太田さんのように、昨年度は様々な業界のモデル事業者がDXに挑戦し、成果を生み出しています。
昨年度のモデル事業者の取り組みについては、DXモデル事例集をご覧ください。
今後も、皆様の取り組みに役立つセミナー等のイベントを実施していきます!
ぜひ、私たちと一緒にビジョンを考え、ワクワクするミライに手を伸ばしてみませんか?